第195章 お前を行くべき場所へ送ってやる

井添幸哉の動きが、ぴたりと止まった。ぎこちなく顔を上げ、信じられないという目で鳳咲夜と視線をぶつける。

ついさっきまで涙を滲ませ、怯えと哀れさで揺れていたはずの瞳が――いまは氷のように冷たく、刃のように鋭い。井添幸哉の胸の奥へ、ぐさりと突き立てられる。

「お前……」

井添幸哉は驚きと怒りに声を震わせた。

――騙された。こいつに。

「鳳咲夜!」

歯を食いしばり、唾を吐くように言う。

「俺に……刃物を向ける気か!?」

「脅しじゃありません、井添さん」

鳳咲夜はわずかに笑った。

「取引です。あなたの命で、私の安全を買う。公平でしょう?」

「公平?」

井添幸哉は鼻で笑う。だが...

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