第202章 私はただ人間性を利用しただけだ

「鳳さん。これ、全部が鎖みたいに噛み合ってて複雑で、理解できないって思ってるんじゃない? でもね、俺がやったのは“人間の性”を使っただけだよ」

井添幸哉は、得意げに言い放った。

「近藤を使ったのは、あいつの一途さと劣等感だ。自分が身分の低い人間だって分かってる。昔は鳳家の運転手で、金も何もないまま、あの女を娶った。それなのに『彼女は俺という人間を愛してる』なんて本気で思い込んでた。自分の貧しさこそが、女が裏切る決定打だったってことにも気づかずにな」

「看護師の女を使ったのは、あいつの身の程知らずな夢だよ。昔、お前の叔父が通院した病院で、鳳達司がその女と知り合った。鳳達司は人当たりがいい...

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