第21章 宝生社長はあなたに今後来なくてよいと言った

翌日。鳳美桜は念入りに身支度を整え、宝生グループ本社ビルの前に立っていた。

下調べは済んでいる。宝生尊は今日の午前、社にいる。

ふうっと息を吸い込み、胸を張って重厚なエントランスへ。大理石の床が、彼女のヒールの音をよく反響させた。

受付カウンターに近づき、柔らかく笑う。

「すみません。宝生社長にお目にかかりたいのですが」

受付の女性が丁寧に問い返す。

「ご予約はおありでしょうか」

「予約はありません。鳳美桜です」

――鳳美桜?

鳳家のお嬢様……!

受付の表情が一瞬で引き締まる。

「かしこまりました、鳳様。少々お待ちくださいませ。すぐにお電話をお繋ぎいたします」

合図が...

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