第210章 ジルが目を覚ました

鳳咲夜は槇武一から届いたメッセージを開き、画面の文字を素早く追った。次の瞬間、表情がわずかに強張り、眉間に重たい影が落ちる。

「どうした?」

宝生尊が訊いた。

鳳咲夜はスマホの画面を彼に向ける。

「ジルが目を覚ました」

「それはいいことだろ。なのに、なんで――」

「病院から今さっき連絡が入ったって。詳しいことはまだ分からない。ただ意識は戻った、でも……」

指先でスクロールし、続きの文面を読む。読むほどに、眉がきつく寄っていった。

「……槇武一が、当面は病院に来るなって」

「なんでだ?」

宝生尊が眉をひそめる。

鳳咲夜は一度息を吸い込み、スマホを差し出した。

「自分で読...

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