第224章 自分の感情はどうして進展しないんだ

さっき一階を通りかかったとき、彼はたしかに書斎の扉が開いていて、灯りまで点いているのを見た。

けれど咲夜は、普段いちばんプライバシーにうるさい。仕事が終われば必ず自分の手で書斎の鍵をかけてから部屋を出る。

あの扉の暗証番号を知っているのは、彼女本人と宝生尊だけ。鳳家じゅう探したって、三人目はまずいないはずだ。

田中さんが何度か掃除に入ろうとしても、咲夜は丁寧に、しかしきっぱりと外で止めた。「書斎の書類は動かさないでください」と。

彼女が寝室から出てきたということは、寝室へ入る前に、書斎の鍵をかける暇すらなかったということだ。

いったい何が、そこまで彼女を焦らせた? 書斎の施錠さえ放...

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