第230章 何か言いたいことがあるなら警察に言え

「君の作品、襟元のデコンストラクションは綺麗だし、肩線も切れ味がいい。……でもさっきから今まで、君が口にしているのは『Lがどんな賞を取ったか』『どの雑誌に載ったか』『いくつのブランドに持ち上げられているか』ばかりだね。君のL理解は、栄誉と経歴で止まっている。彼女のデザイン言語も、精神の核も――一言も触れていない」

 鳳咲夜は指先を原稿の下部、配色の色ブロックの注記へ滑らせ、こつり、と軽く叩いた。

「そして君の最大の問題は、ここ。Lのアシンメトリーは、アシンメトリーのためのアシンメトリーじゃない。彼女が解体しているのは、服が身体に課す拘束だ。表現しているのは、着る人が外の定義から抜け出す自...

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