第236章 彼はどうやってやり遂げたのか

「……あいつは、もういいって。話はついたって」

倉光隆雄は、震える声でそう言った。

「今でも覚えてますよ。あのときの口ぶり、やけに得意げで……『もうすぐ金持ちだ。ジジイが目ぇ覚ましても、俺には何もできねえ』って。挙げ句に――挙げ句に『俺は血が繋がってるんだぞ。ジジイが俺を殺せるわけねえだろ』って……! あいつ、ほんとにそう言ったんです! それで、俺は辞めました」

鳳咲夜は、骨スキ包丁を握る指にわずかに力を込めた。

ゆっくり眉を寄せ、数秒、黙る。

――分かった気がした。

須藤伸治が老爷子を殺そうとしたのは、老爷子が遺言書を残していなかったからだ。

遺言がなければ、相続は法定の順番...

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