第249章 気分が良くなったら彼女を愛人にする

知纱奈恵は自分の詰所へ戻ると、さっき目にした光景が頭の中で何度も再生され、どう考えても引っかかって仕方がなかった。

あの新入りのボディガード――愛想が良いにもほどがある。

これまで何百人、下手をすれば千人近くも見てきたが、初日の当番で「監視対象」にあそこまで積極的に寄っていく奴は、見たことがない。

それに昨夜、なぜか見覚えがある気がしたあの背中。

知纱奈恵の胸の奥の警戒心は、どうしても緩まなかった。

机に戻り、引き出しを開ける。イムルから回ってきた新人の資料一式を引っ張り出し、ひとつずつ机に広げて、行ごとに照合していく。

――江崎拓海が「交代で入った」人物のファイルをめくったとこ...

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