第25章 仮面越しでも、まさか見抜かれた

鳳咲夜は風を切る気配が飛び込んできた瞬間、嫌な予感を掴んだ。

刹那、踵を返す。

速く、容赦のない横蹴りが一直線に伸び、志波耕治の胸板を正確に撃ち抜いた。

「ぐぁっ――!」

志波耕治は悲鳴とともに宙を舞い、リングポストに背中から激突する。ずるずると滑り落ち、そのまま完全に気を失った。

だが会場は狭く、動きの逃げ場がない。志波耕治が握っていた机の脚、その尖った端が鳳咲夜の後頭部をかすめた。

鳳咲夜は後頭部に手をやり、指先に温かい粘りを感じ取る。

それでも眉をわずかに寄せただけで、大股のままリングを後にした。

宝生和也が興奮で跳ねそうな勢いで叫ぶ。

「うわ、マジかよ! ケガしてん...

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