第261章 もう彼にはずっと我慢してきた

イムルは、鳳美桜が連れ去られるのを目の当たりにすると、すぐさま鳳咲夜へ電話を入れた。

「ボス。鳳美桜が、江崎拓海の手の者に車へ押し込まれて連れていかれました。出るときは、ガムテープと縄でぐるぐる巻きです。……もう、みっともないったらありません」

受話器の向こうで、鳳咲夜が鼻で笑った。

江崎拓海が腹に一物あるのは、最初から分かっていた。だが、ここまで手のひらを返すのが早いとは。

鳳美桜の資産を吸い上げた途端、猶予は一晩すらなし。ガムテープと縄で、さっさと口封じ――そういう男だ。

けれど、都合はいい。

鳳美桜の矛先を引き受けてくれる駒が欲しかったところへ、江崎拓海のほうから勝手に名乗...

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