第278章 幸運を祈る

彼女はポケットからスマホを取り出し、視線を落として短くメッセージを送った。

『動いていい』

送信して端末を伏せ、顔を上げると――ちょうど世良さんの、板挟みで困り切った表情と目が合った。

鳳咲夜はふっと笑う。

「世良さん。いい案件には競争がつきものです。普通のことですよ。わざわざ来たというなら、会ってみても構いません」

世良さんは目に見えて肩の力を抜き、愛想笑いを貼り付けた。

「鳳さん、太っ腹! ご安心ください、顔を出して話を聞くだけです。こちらの件は変わりませんから!」

鳳咲夜は微笑むだけで、あえて返さない。

世良さんは秘書に目配せし、来客を通すよう指示した。

二分も経たな...

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