第28章 臭いガキは本当に恋愛したんだな

宝生奈々枝はスマホを受け取り、目を細めて画面を覗き込んだ。

ピントは甘い。だが、写っているのが宝生尊であることは疑いようもない。

――ほう。あのクソガキ、本当に恋でもしたのかい?

だからあんなに意地でも婚約破棄を言い張ったのか。

……それに、この子。確かに悪くない顔をしている。

鳳美桜は、祖母が写真を見つめて考え込む様子に、やはり「相手の家柄が平凡なのが気に入らないのだ」と勝手に解釈し、内心でほくそ笑んだ。そこで欲張らず、頃合いを見て引く。

しばらく世間話を続けたあと、「お休みの邪魔になりますので」と口実を作り、立ち上がって失礼した。

案の定、鳳美桜が帰った途端、宝生奈々枝はす...

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