第37章 恋愛未経験の良い躾け

「でもね、聞いたんだけど……」

鳳琴音が、やけに意味ありげに身を乗り出してきた。

「宝生尊って、恋愛したことないんだって。そういう男がいちばん純情で、しつけもしやすいのよ。何人も食ってきたようなのより、ずっとマシ」

鳳咲夜「……誰から聞いたんですか」

「あなたのお婆さんよ! 電話でね、直々に。『咲夜に必ず伝えて』って」

……そんな恥ずかしい話、あちこちで触れ回らないでほしいんだけど。

「お母さん、私のことは私で分かってるから」

鳳咲夜は額に手を当て、ため息をつく。

「恋は計算でも施しでもない。今の私は、彼にそういう気持ちじゃないし……無理にどうにかなるものでもないの」

娘の...

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