第39章 二人の社長は暇ですか

鳳一輝はクラブの入口で煙草をくゆらせながら、鳳咲夜が出てくるのを静かに待っていた。

だが、待てど暮らせど咲夜は現れない。代わりに姿を見せたのは――宝生尊だった。

「鳳さん? こんなところで、奇遇ですね」

鳳一輝が横目で見ると、宝生尊が建物の反対側の回廊から歩いてきていた。

「宝生社長。確かに奇遇ですね。社長もここで商談ですか?」

「ええ。人と約束がありまして」

短く答えながら、宝生尊の視線が何気なく入口のほうをなぞる。

「鳳さんはお一人で? 運転手待ちですか?」

「いや。妹を待ってる」

煙草の灰を軽く落とし、鳳一輝はわざとらしく宝生尊の反応を盗み見た。

案の定――宝生尊の...

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