第45章 もう来なければ宝生尊がお前を食ってしまうぞ

江崎拓海は胸元を押さえ、みっともなく首をねじって振り返った。

廊下の突き当たり。灯りの届かない薄暗がりから、背筋の伸びた男がゆっくりと歩み出てくる。冷えた目、隙のない顔つき。

「誰だてめえ!? 余計な口出しすんな!」

鳳咲夜に殴られたばかりで、怒りは頂点。江崎拓海は視界に入るものすべてが気に入らない。

「忠告してやる。ヒーロー気取りはやめとけ。俺が誰か分かってんのか? 江氏実業の御曹司だぞ! さっさと消えろ。こっちはこの身の程知らずのクズを躾けてやってんだ!」

鳳咲夜は宝生尊の姿を認め、目にほんのわずかな驚きが走った。

けれど、江崎拓海が狂犬みたいに噛みついてくるせいで、状況はむ...

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