第51章 社長は君がやったほうがいい

「近藤は鳳家に三十年も仕えているのに、子どもはいない。配偶者は早くに亡くして、ご両親もすでに他界。親戚とも特別親しくしていない。鳳家の中で、あの人にはほとんど執着も、先の見通しもないのよ」

鳳咲夜はゆっくりと言った。

「家族を養う必要もない。将来のために道を敷く必要もない。穏やかに定年を迎えるだけの老人が、どうしてわざわざ泥水に足を突っ込むの?」

鳳咲夜はそこで言葉を切った。

これ以上、口にするには早すぎる推測がある。

たとえば――近藤こそが当時、赤ん坊をすり替えた人間で、鳳美桜は実の娘……あるいは、どうしても守らねばならない存在だった可能性。

だが、それを断言するには証拠が足り...

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