第59章 彼女が許すさらなる一歩

次の瞬間、視界がすとんと落ちた。

外から差し込む淡い月明かりだけが、かろうじて輪郭を浮かび上がらせる。――建物中の灯りが、全部落ちたのだ。

鳳咲夜の足が、ぴたりと止まる。

「どういうことだ?」

背後から宝生尊の声。

階下で使用人が叫んだ。

「坊っちゃま! 配線がショートしました! 修理を呼んでます、すぐ直ります!」

「分かった!」

宝生尊は返事をし、反射的に扉を開けようとした。非常灯のある廊下へ咲夜を連れていくつもりだったのに――電子ロックの非常用レバーが、いつの間にか壊れている。

つまり。

二人とも、部屋に閉じ込められた。

「咲夜、悪い……」

宝生尊が振り向く。

...

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