第61章 唯一追いかけられて医師資格証を授与された人が誰か知っているか

鳳咲夜の足が、ぴたりと止まった。

――何かあった?

言いかけた言葉を飲み込み、眉間に薄く皺が寄る。

鳳一輝は通話を切ると振り向き、そこに立つ鳳咲夜を見つけた。

「咲夜! なんでここに……! 急ぎの用ができた、今すぐ出なきゃ!」

ソファに放り投げてあった上着をひっつかみ、ろくに袖も通さず玄関へ駆け出す。

「話は帰ってから! それかメッセ送ってくれ、見たら返すから!」

鳳咲夜が彼のLINEの袖を掴んで止めた。

「『もうダメだ』って何。誰がダメなの」

鳳一輝の動きが止まる。次の瞬間、目尻が赤く滲んだ。

「……俺の院生の指導教官だよ」声が少し掠れる。「当山教授。心臓が悪くて長いん...

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