第64章 宝生尊を削除したのか?

「当山久輝」

背後から鳳咲夜の声が落ちてきた瞬間、当山久輝の首筋がひゅっと強張った。

次の瞬間、背中の襟を乱暴に掴まれ、ぐいっと引き倒されるように数歩よろめく。体勢も整わないうちに――

パァン!

乾いた音とともに、平手が頬に叩き込まれた。

当山久輝の半分の顔がみるみる腫れ上がり、痛みに耐えきれず喚き散らす。

「ごめんなさい! 俺が悪かった! お願いだ、許してくれ!」

さっきまでの増長は影も形もない。口を開けば命乞いだけ。鳳咲夜が、さっきの連中みたいに自分を殴り倒す――そう思うだけで、息が詰まりそうだった。

「今の一発は――」

鳳咲夜は淡々と言った。

「オペ室の前で騒いで、...

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