第65章 大切に世話した花が鉢ごと持ち去られた

鳳一輝の首が、目に見えてこわばった。

「……は?」

動揺を隠すように視線をそらし、膝をさすって、乾いた笑いを二つ。

「咲夜、何言ってんだよ。俺が咲夜のスマホなんて、いじるわけ――」

鳳咲夜は何も言わない。ただ静かに、一輝を見つめていた。

一輝の声はみるみる萎み、最後には完全に途切れた。

頭上でヘリのローターがゴォォォと唸っているのに、機内の空気だけが妙に静まり返る。

「……俺が消した」

鳳一輝はとうとう耐えきれず、後頭部をかきながら、露骨なほど愛想笑いを貼り付けた。

「だってさ、男に騙されるのが怖かったんだよ。お前、帰ってきてどれだけ経つ? 宝生尊なんて、見た目からしてロク...

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