第六十八章 本当に君が好きだ

二人はその場に立ち尽くし、互いの顔を見つめ合ったまま、言葉が出なかった。

鳳咲夜は深く息を吸い、スマホに手を伸ばす。

影山陽斗に電話して、思いきり怒鳴ってやるつもりだった。あのクソガキ、いい度胸してるじゃない。

――なのに、ポケットの中は空っぽ。

反対側も探る。やっぱりない。

鳳咲夜は一瞬固まり、ようやく思い出した。さっき病室に入ったとき、白鶴斎のベッド脇のサイドテーブルに、何気なく置いたのだ。

「……スマホ、病室に置いてきた」

額に手を当てて嘆きつつ、彼女はドアの前へ戻り、しゃがみこんでロックを確認する。

ごく普通の電子錠。内側からなら開くはずだが、影山陽斗のことだ。外から...

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