第81章 彼は彼女の秘密を守り抜いた

鳳一輝は、彼女の唐突な真剣さにぽかんとした。だが次の瞬間には拳を鳴らし、目つきが獣みたいに鋭くなる。

「何だよ。宝生尊のクソ野郎、マジでお前に何かしたのか? 言えよ兄貴が今すぐ脚へし折ってやる!」

鳳咲夜は首を横に振り、淡々と――けれどとんでもなく重い爆弾を落とした。

「違う。あんたに言っておきたいのは……私の、もうひとつの顔」

「私は――国際医薬監督・安全機構、特別行動部の部長。コードネームはL。今回、陽崎市へ行ったのは、私名義の研究所の中核処方……筋弛緩剤プロトタイプαが盗まれて、さらに研究施設で爆発未遂まで起きたから。国境を跨ぐ産業スパイと公共安全への重大事案よ。部長として、そ...

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