第93章 証拠を急いで隠滅する

「堂島伸秀、あの維持管理費が必ず不正だと言い切っているわけじゃない。ただ、私が掴んだ関連を述べているだけ。証拠については――」

彼女は鳳一輝へ視線を移した。

「お兄さま、通報しましょう。署名の偽造、業務上横領の疑い、しかも金額が桁違い。もう刑事事件よ。本物は偽れないし、偽物は本物にならない。誰が署名し、誰が手を動かし、誰が裏で操っているのか……調べればすぐ分かるわ」

鳳一輝は強くうなずく。

「そうだ! 通報だ! 警察に徹底的に洗い出してもらおう!」

「通報」という言葉を聞いた瞬間、堂島伸秀の目に一瞬の動揺が走った。テーブルの下の手が、無意識にきゅっと握り締められる。

鳳咲夜はその...

ログインして続きを読む