第10章 萩原寧々

「このローテーブル、けっこう綺麗。でも、このリビングのテイストとはちょっと噛み合ってないね」

それなりの値がしそうな品だ。水紀はそう言って、淡く首を振る。

「捨てるほどじゃないよ。寝室か客間に移して使えばいい」

「そうね、そうね、そうしましょう」

小林栞里はうんうんと頷いた。この子、私と同じでセンスがある。正直、このテーブルは前から目について仕方がなかったのだ。

「奥様」

上村が堪えきれず一歩前へ出て、頭を下げる。

「そのテーブルは寧々様がいちばんお気に入りでして。勝手に替えてしまうのは、さすがに……」

「今のお嬢様は水紀よ」

小林栞里は眉を寄せ、きっぱりと言い切った。

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