第105章 クラウドは彼女の夢

水紀は手元の仕事をいったん置き、夏川真緒から差し出された書類を受け取った。

「昨夜、徹夜で考えたブレスレットのデザインです」

夏川真緒はどこか自信なさげだ。

「ふとひらめいて、勢いで描いてみたんですけど……荒いかもしれません。でも、ずっと迷ってて……やっぱり社長に見ていただきたくて」

派手さはない。けれど一目で印象に残る輪郭がある。水紀はしばらく眺め、ゆっくり顔を上げた。

「いいね。すごくいい」

その瞬間、夏川真緒の瞳がぱっと輝いた。萩原社長に褒められることほど、嬉しいことはない。

水紀は続ける。

「テーマは涅槃――再生。もがき、抗い、それでも前へ進む希望が中心にある。物語性...

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