第12章 ボスは萩原家のお嬢様になった

萩原寧々が別荘に入ると、リビングに両親の姿はなく、宝石店の連中も見当たらなかった。

――もしかして、直接あたしの部屋に運ばせた?

そう思った瞬間、足取りが勝手に弾む。寧々は小走りで二階へ上がった。

廊下のいちばん手前。寝室の扉は閉まっている。寧々は髪を整え、口紅を塗り直してから、控えめにノックした。

ほどなくして扉が開く。

水紀はついさっき身支度を終えたばかりらしく、シンプルなTシャツにジーンズ。髪はクリップでラフに留めているだけだった。

その前に立つのは、作り込んだ妆に隙のない萩原寧々。

どちらも細身だが、水紀の肌は際立って白い。ノーメイクでも、掌に収まりそうな小さな顔に整っ...

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