第18章 御堂家との婚約

萩原寧々は幼いころから成績優秀で、社会活動もプロジェクトの討議も、クラスの人間関係も――何もかもそつがなかった。

それもこれも、萩原家という看板の力が大きい。

水紀が答える。

「忘れた」

そもそも彼女は大学に強い興味がない。場所が変わるだけで、やることは稼ぐこと――それだけだった。

当時は適当にいくつか記入した。たったそれだけ。

だが萩原寧々の耳には「忘れた」ではなく、「言えないんだ」としか聞こえない。

そう思った瞬間、寧々は顎をさらに高く上げ、勝者の余裕を装って水紀を慰めた。

「お姉ちゃん、大丈夫だよ。どこの大学でも、行けるなら十分立派だよ」

隣の萩原明徳も、水紀が落ち込...

ログインして続きを読む