第23章 他人は悪くない

山崎和美は自分の失言に気づき、慌てて作り笑いを貼りつけた。

「お間違いでは? あれはうちに一時的に身を寄せてただけの子で、仕事もないし、お金も持ってないんです」

「じゃあ、その金はどこから出たのよ」

金藤伊江は苛立ちを隠さない。

「いいから、さっさと支払いに行って」

本当を言えば、水紀が病院にチャージしていた金額だけで、祖父の費用は十分に賄える。

けれど金藤伊江は思った。――向こうからのこのこ来たんだ。わざわざ水紀の金を減らす理由なんてない。

「この金で、おじい様はどれくらい入院できますか?」

「十日です」

新田中尾の顔色が、さらにさっと青白くなる。

――こんな額で、たっ...

ログインして続きを読む