第26章 婚約破棄

萩原明徳はソファから勢いよく立ち上がった。

御堂家とは、どういう家か。普段なら顔を拝むだけでも何段階もの予約が必要で、手続きも煩雑きわまりない。

それが今日、まさかのご本人が訪ねてくるとは。

しかも来たのは、御堂家の中でもいちばん機嫌の振れ幅が読めないと噂の蓮司様。

修羅場をくぐってきた萩原明徳でさえ、さすがに手が止まった。

「……どうして急に」

小林栞里も青ざめる。

「まさか、寧々の身元に気づいて……責めに来たんじゃ……?」

萩原明徳にも確信はない。

「今は考えても仕方ない。執事、いちばん上等な茶と菓子を。蓮司様を丁重にもてなせ」

「かしこまりました!」

御堂蓮司が玄...

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