第283章 絶望

萩原寧々は、水紀の寮の出入口の陰に身を潜めていた。あいつが姿を見せた瞬間――撃ち殺す。

そうなれば、この世から萩原水紀という人間は消える。

何時間も寮の下で待ち続けて、ようやく水紀の姿が見えた。友人の腕に自分の腕を絡め、陽の光を浴びたその横顔は、まぶしいほど明るく、華やかだった。

影の中に隠れているしかない自分とは、あまりにも違う。

萩原寧々は銃把を握る手に、じわじわと力を込めた。張り詰めた心臓をなだめるように深く息を吸い、ゆっくりと照準を上げる。

水紀――今日がお前の命日だ。

「――ッ!」

銃声が弾けた。

凄まじい反動で、萩原寧々は危うく車椅子から転げ落ちそうになる。慌てて...

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