第29章 見破られた思惑

「いらない」

水紀は短気だ。返事もそこそこに、扉を閉めようとした。

「お姉ちゃん!」

萩原寧々がさっと腕を上げ、扉を押さえる。そのまま当然のように中へ滑り込んでくる。

拒まれたことなど気にも留めず、トレーをテーブルに置いた。

「朝早く起きて作ったの。気持ちだから……お姉ちゃん、食べてみて?」

「なんであんたの“気持ち”を、私が受け取らなきゃいけないの」

水紀は容赦しなかった。

萩原寧々はそこまで突っぱねられると思っていなかったのか、目尻がみるみる赤くなる。

「なに。ここで泣いて、あとで外に出て『いじめられた』って告げ口でもする気?」

水紀は淡々と言った。

「泣くなら外で...

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