第30章 おじいさんを見舞う

水紀は食事を終えると自室へ戻り、髪を整えた。ついでに昨夜、急きょ坂本奏斗に届けさせた品をバッグへしまう。

支度を済ませ、御堂蓮司について家を出た。

「小林」

徳佑病院。御堂のおじいさんは病室のベッドに腰掛け、壁を指さしながらあれこれ指示を飛ばしていた。

「横断幕はもう少し左だ」

「リボンが低い。上げろ」

「それから風船は入口に置きすぎるな。水紀がつまずいたらどうする」

小林は朝から働きづめで、腰が今にも折れそうだった。

「旦那様、本日いらっしゃるのは蓮司さんと萩原さんで、お見舞いですよ」

ここまで……式場みたいに飾りつける必要があるのか。

床に転がる風船、照明に吊られたク...

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