第36章 怒る

御堂蓮司は水紀の手を引き、ゆっくりと邸の中へ入っていく。二人の距離の近さに、小林栞里は嬉しさを隠しきれず、頬が緩みっぱなしだった。

「蓮司、わざわざ水紀を送ってくれてありがとう。御堂おじいさんの具合はどう?」

「祖父は元気だよ」

御堂蓮司は淡々と、けれど柔らかく言った。

「水紀のことも気に入ってた」

「まあ、それならよかった、よかったわ」

小林栞里は花が咲いたように笑う。

「さ、入って少し休んで。今日ね、新しいコーヒー豆が届いたの。飲んでいって」

萩原寧々はその場に立ち尽くしたまま、御堂蓮司が中へ消えていく背中を見送るしかなかった。視線の一つすら、こちらに寄こさない。まるで、...

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