第39章 会社を整頓する

水紀はまっすぐ生産部へ向かった。

だらけきった空気の漂うデザイン部と違い、生産部は男の比率が高い。だが肝心の席は空いているところが目立ち、残っているのはぽつりぽつりと数人だけだった。

それなのに全員、スーツは皺ひとつなく、腕には見るからに高そうな時計。

――会社の帳簿は赤字続きのはずなのに。生産部だけ、どうしてこんなに羽振りがいい?

しかも彼らは情報が早い。水紀が足を踏み入れた途端、彼女が新しく来た社長だと察したようで、さっと背筋を伸ばした。

「萩原社長」

ふくよかな男が執務室から出てきて、笑みを貼りつけた顔で迎える。

「井上正司と申します。社長がいらっしゃると伺っておりまして...

ログインして続きを読む