第45章 他の男と食事しないで

白坂志山は、口が裂けるほどに笑っていた。

もともと彼が水紀に医術を教える人間を手配したとき、まさかここまで――わずか数年で師を追い越してしまうほどの才があるとは、夢にも思っていなかったのだ。

だからこそ、いま彼女がこんなふうに言ってくれるだけで胸が満たされる。報われた気がした。

水紀は白坂志山を見送り、そのまま家へ戻ろうとした。くるりと踵を返した瞬間、目の前にすっと伸びた長身が立ちはだかる。

「……っ」

心臓が跳ねた。

――この人、どうして足音がしないの。

「さっきの男は誰だ」

御堂蓮司は白坂志山の身元など最初から知っている。けれど、どうしても水紀の口から聞きたかった。

「...

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