第51章 彼女の美しさは唯一無二

水紀は翌日、仕事を終えるなりニューアホールのほうへ足を向けた。

両親はすでに駐車場で待っている。萩原寧々が小林栞里の腕に絡みつき、いかにも「幸せな家族」を演出していた。

水紀は近づき、短く呼ぶ。

「……ママ」

小林栞里は満面の笑みで歩み寄り、当然のように水紀の腕を取ってきた。

萩原寧々はその場で立ち尽くし、伸ばしかけた手が宙で固まる。

胸を刺す嫉妬はすぐに飲み込み、寧々はにこやかに歩み寄った。

「お姉ちゃん、ドレスの試着のお店、もう予約してあるの。N市で一番のデザイナーズブランドよ。今日は私たち二人だけの対応なんだって」

水紀は頷く。礼儀として、それだけ。

明日の祝勝会で着...

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