第63章 負傷

水紀は我に返った瞬間、全身がかっと熱くなった。

「御堂蓮司! 起こして!」

「もう少しだけ、抱かせて」

男の低く掠れた声が、水紀の耳朶をそっと撫でる。胸の奥を乱すような、抗えない色気を帯びて。

水紀の頬は、今にも血が滴りそうなほど赤い。

「痛くないの……?」水紀は小さく呟いた。「さっき、あんなに激しく転んだのに」

「痛い」

そう言いながら、抱きしめる腕は少しも緩まない。

「お前に抱かれてたら、痛くなくなる」

水紀の柔らかな身体がまるごと御堂蓮司の上に覆いかぶさり、髪が首筋をさらりと掠めた。ほのかに甘い匂い。肌と肌が触れ合う熱、互いの荒い鼓動――暗闇の中で、それらは際限なく膨...

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