第64章 経験がない

水紀は少し考えた。

「ケガしてるんだから、ベッド使って。私はソファで一晩しのげばいい」

「ダメだ」

御堂蓮司は水紀に拒否させる隙も与えず、布団を抱えてソファに置いた。

ここまで頑固なら言っても無駄だと、水紀はそれ以上口を挟まなかった。

本当はシャワーでも浴びたかったけれど、どう考えてもやりづらい。

水紀はそのままベッドに横になった。

「ソファ、寝づらかったら言えよ」

「言ったら、どうするの」

「ベッドで寝ろって言う」

「じゃあ、あんたは?」

「……俺がソファに行く」

「寝づらい。でも、あんたがソファで寝るのはダメ」

「……」

「じゃあ、一緒に寝てもいい?」

「…...

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