第66章 恥をかく

ちょうど昼休みの時間で、会社の出入口は人の出入りが絶えなかった。

村田峰の醜態は、ほとんど全員の目に入ったと言っていい。面白がってスマホを構える者までいる。

「やだ、村田社長……まさか本当に薬やってるの?」

「こんな風になるまでやるとか、気持ち悪……!」

噂の矛先が水紀から村田峰へ移り、彼女は淡々と野村卓真を見た。

野村卓真は、今起きた一連の出来事に完全に呑まれて固まっている。

「救急車、呼んであげて」

それでようやく我に返った野村卓真が、慌てて何度も頷く。

水紀はもう村田峰に構わず、ゆっくり車に乗り込んだ。

窓越しに見えるのは、村田峰の周りに増えていく野次馬の輪。

――...

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