第67章 理由はいらない

「萩原社長! 大変です! 会社の会計システムが急におかしくなって、暴走したみたいに全社員の口座へとんでもない額が勝手に振り込まれてます!」

水紀は眉をひそめた。

「慌てないで。すぐ戻る」

「どうした?」

御堂蓮司が気遣うように声をかける。

「手伝おうか」

水紀は首を横に振った。

「私で処理できる」

御堂蓮司は、水紀の腕を疑ったことがない。彼女が「できる」と言うなら、必ずきっちり片づく。

「送るよ」

会社に着くと、社員の大半が席を外し、フロアはほぼパニック状態だった。

あちこちで声が飛び交う。

「お前いくら入ってた? 俺、600万だぞ! この会社入って3年、給料もボーナ...

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