第76章 二人きりになる絶好の機会

小林栞里が、ぷりぷりしながら入ってきた。

「このじじい! お風呂上がったら姿が見えないと思ったら、こんなところで娘に小言たれてたのね!」

小林栞里は萩原明徳の腕をぐいっと掴み、無理やり立たせる。

「水紀がまだいくつだと思ってるの。こんな重たいもの背負わせて、うちの子が潰れたらどうするのよ!」

小林栞里がそう捲し立てると、萩原明徳は反論できなくなった。

「水紀、今あなたがやるべきことはね、人生を楽しむこと。ショッピングでも、ネイルでも、旅行でも、やりたいことがあったらママに言いなさい。ママが付き合ってあげる。パパの言うことなんか聞かなくていいのよ。仕事、仕事、仕事……そればっかり。あ...

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