第95章 彼女をかばう

四十代半ばくらいの女がいた。着飾ってはいるがセンスは微妙。それでも一応、ブランド物で固めている。そんな女が今、デザイン部の入口にどっかり座り込み、まるで泣き喚くようにして自分の不幸を訴えていた。

水紀は眉をひそめ、隣の女性社員に訊く。

「外部の人間は入れない規則よね。受付は何をしてたの?」

「萩原社長、この人……夏川真緒さんの叔母だって名乗って、『姪に会いに来た』って言ったので、受付が通してしまって……」

「それで、今の状況は?」

「入った途端に騒ぎ出したんです。『夏川真緒が家の物件を奪った』『一家を家から追い出した』って。今日ここで説明しないなら帰らない、って」

夏川真緒は必死...

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