第97章 萩原社長が来た

夏川真緒は契約書を握る手が、どうしても震えるのを止められなかった。

それでも理性だけは必死に繋ぎ止め、内容に目を走らせる。

「……株を51%?!」

真緒は怒りに顔を上げた。

「欲張りすぎじゃない!」

それはつまり――真緒が持っている分を、丸ごと奪い取るのと同じだった。

「嫌なの?」

夏川理奈は薄く笑う。

「じゃあ今日、舅舅の退院手続き、私がしてあげる」

「……っ!」

父の今の状態で退院など、死ねと言っているのと変わらない。

真緒は涙を堪えながら、唇を噛んだ。会社は父と祖父の命そのものだった。父は身体が限界でも、最後の資金穴を塞ぐまで倒れることを許さなかった。

それなの...

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