第102章

井口景太の顔色が、すっと陰った。

「そんなこと、軽々しく口にするな。青山家は……誰も敵に回せない」

「分かってるよ、もちろん」

黒田美穂はバッグからスマホを取り出すと、さっき撮った写真へ切り替え、井口景太の目の前に差し出した。

「景太、私……あなたを信じてるから言えるの。ほら、これ。入口で姉ちゃんが上山良太郎と一緒にいたときの写真。で、今は青山家の当主と一緒。しかも青山さんが姉ちゃんに何か渡してて、笑い方……すごく楽しそうだった」

井口景太はスマホを受け取り、画面を覗き込んだ。

一枚目。入口付近に立つ黒田理沙。その隣に、灰色のスーツ姿の男。距離が近い。角度も妙にいやらしく、確かに...

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