第123章

ロボットは答えなかった。

その代わり、かすかに眼球が動き、客席――前から二列目に座る若い女性へと視線を滑らせる。

「お嬢様。頸椎のカーブが真っすぐになっています。いま、後ろ首がこわばり、右手の人差し指と中指に断続的なしびれが出ているはずです。すぐにうつむいてスマホを見るのをやめてください。このままだと3か月以内に、しびれが取れなくなります」

若い女性は目を見開いた。反射的にうなじへ手を当て、顔色がさっと青ざめる。

――たしかに。最近、手がよくしびれる。

「睡眠の質も極めて低い。深い睡眠の割合は8%未満。夢が多く、途中で目が覚めやすい。昨夜は午前2時17分までSNSを閲覧していました...

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