第126章

翌朝。黒田理沙が階段を下りていくと、ダイニングのテーブルにはもう高橋さんが控えていた。

「お嬢様、今朝は何を召し上がりますか」

理沙は席に着き、スプーンでお粥をひと口すくう。温度はちょうどいい。

傍らに立つ高橋さんは手をこすり合わせ、言い出しかねたように一瞬だけ逡巡してから、とうとう口を開いた。

「お嬢様……今夜は……お戻りになって、お夕飯を召し上がりますか」

理沙が目を上げると、高橋さんは慌てて首を振った。

「い、いえっ、催促じゃないんです。若様が……若様が戻られてもう何日も経つのに、ずっとお嬢様とちゃんとお話ししたがっていらして。でもお嬢様は毎日、夜も明けないうちに出られて、...

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