第130章

中山心の顔から血の気が引いた。赤から白へ――何か言い返そうとしたのだろうが、黒田理沙の、静かすぎるほど平然とした目にぶつかった瞬間、言葉は喉の奥でつかえた。

歯を食いしばり、踵を返して外へ向かう。

あの二人の女も慌てて後を追った。左右に張りつくように並び、振り返ることすらできない。

店の入口まで来たところで、中山心がふと足を止める。

振り向き、黒田理沙を睨んだ。瞳の底で、悔しさがどろりと渦を巻く。

捨て台詞のひとつでも吐いて面目を保ちたい――そんな気配があった。だが、あの冷えた眼差しに射抜かれると、口まで出かかった言葉はまた飲み込まれる。

中山心は背を向け、廊下の突き当たりへ早足...

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