第131章

川村南の瞳孔が、ぎゅっと縮む。反射的に段ボール箱を胸に抱え込み、半歩下がった。だが背中はすぐ壁に当たる。――もう、退けない。

スキンヘッドが目の前まで突っ込んできた。鉄パイプが、そのまま頭めがけて振り下ろされる!

川村南は目を見開いた。避ける暇なんて――ない。

その瞬間、横から伸びた黒田理沙の手が、川村南の背中の襟をがしっと掴む。ぐい、と半歩ぶん引きずり下げた。

鉄パイプはドア枠に叩きつけられ、火花がぱっと散る。キィン、と耳を裂く金属音が夜の闇を切り裂いた。

「中へ」

黒田理沙の声は短い。

川村南は倉庫の入口へ押し込まれ、よろよろと数歩もつれて、ようやく踏ん張った。

振り返る...

ログインして続きを読む