第143章

青山春樹は彼女の視線に気づいたのか、ふいに顔を向けてきた。瞳の奥に宿る誇らしさが、どう取り繕っても隠しきれていない。

彼はグラスを置き、さっきよりも改まった声で言う。

「昨日の交流会で、お前の話をいろいろ聞いただろ。気になって、ちょっと調べさせたんだ。そしたらさ……調べたこっちが腰抜かすレベルで出てきた」

一拍置き、目に惜しみない賛嘆を浮かべる。

「山本亜莉沙。国内の研究界でもトップ中のトップ。論文の被引用数は三年連続で一位、開発したプロダクトは国際賞を総なめ。去年、青山グループの技術顧問にって本気で口説こうとしたんだ。ツテをいくら辿っても本人に繋がらなくてさ」

くっと笑い、首を振...

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