第146章

そう思い至った瞬間、黒田理沙はゆっくりと目を閉じた。

そして瞼を上げたとき、瞳の奥に宿っていたのは、氷のように冷えた鋭さだった。

「黒狼組の本拠はどこ。人数は。火力は?」

電話の向こうが一瞬固まり、慌てて座標と数字をいくつか読み上げる。それから早口で続けた。

「黒狼組はデルタ地帯で十年以上シノギを張ってます。手下は少なく見積もっても二、三百。長物も短物も揃ってる。本拠は廃鉱山です。守りが固くて、攻めにくい。ボス……来るんですか?」

「うん」

渡会祐介の声が跳ねた。

「でも黒狼組――」

「分かってる」

黒田理沙は遮る。静かすぎる声なのに、背筋を撫でるような圧があった。上に立つ...

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